スーパーでたまたま手に取った「金山寺(きんざんじ)味噌」。このつぶつぶ、大豆の粒かとおもっていたら、それだけではなかったのです!その味わいは予想以上に大人味。ちょっとびっくりしたので、金山寺みそについて詳しくまとめてみました。
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そのまま食べるのが基本、野菜も入っている”なめ味噌”
金山寺みそは調味料としてではなく、そのまま食品として食べることができる味噌。一般的な味噌の原料が米、麦、豆などに対し、金山寺味噌は米、麦、豆などに加えて野菜などから作られることが大きな違いです。
※ちなみにこのような”食べる味噌”は「なめ味噌」とも呼ばれます。なめ味噌は大きく分けて2種類あります。
・加工なめ味噌…通常の味噌をベースに加工したもの(ゆず味噌や、我が家でおなじみのピーナッツ味噌(→レシピはこちらの記事を参照))もこれに含まれます)
・醸造なめ味噌…煎った大豆に小麦、大麦、裸麦、 米などを混ぜて麹を作り、それに食塩を入れて発酵させたもの(以前紹介したひしお、金山寺味噌など)
金山寺みその由来は、宋での修行から帰国した鎌倉時代の僧、心地覚心が伝えた「径山寺(きんざんじ)味噌」が起源とする説が有力だそうですが、空海が唐の金山寺から持ち帰ったとする説もあります。ちなみに近年和歌山県岩出市の根来寺旧境内から、約430年前の金山寺みそが見つかったとか(!)。国内では和歌山県、千葉県、静岡県などで生産されています。熟成期間は普通の味噌が4~6ヶ月に対し、金山寺味噌は1~3ヶ月で食べることができます。ナスやウリなどの野菜を長期的に保存する目的で作られるようになったようです。
かなり、お酒のにおいが強いが…?!
メーカーや商品によっても異なりますが、今回買った金山寺みそは、封を開けるとお酒のにおいをかなり強く感じました。まるで酒粕のようなにおい…!!これはおそらく味噌の原材料によく使われている「酒精」のせいかもしれません。
「酒精(しゅせい)」とはエチルアルコールのことで、お酒のアルコールと同じ成分。味噌は、酵母菌などの微生物の働きでほど良く発酵・熟成したところでカップや袋に詰められ、商品として出荷します。しかし、酵母菌が生きたままでは、袋やカップに詰められた味噌が再発酵し、袋やカップが膨れてしまい、破裂してしまうこともあります。これを防止するためにカップや袋にみそを詰める前に加熱殺菌する方法や「酒精」を加える方法が用いられます。酒精には、酵母菌の働きを抑える作用があり、味噌をカップや袋に詰める前に少し加えているのです。
酒精は高山寺みそに必ずしも入っているわけではないようですが、このお酒の強いにおいは、結構商品によって差があるよう。お酒の飲めない人が避けたくなるほどお酒感が強いものもあれば、子どもがたくさん食べられるほど全く気にならないものもあるみたいです。ちなみに今回買った商品は、我が家の4歳息子はにおいをかいで「(お酒)くさーい」と言って笑って食べませんでした(^▽^;)
酒の肴に最適、野菜につけたりご飯に乗せたり
金山寺みそ、さすがに「食べる味噌」というだけあって、具がごろごろとしています。スプーンで混ぜてみると、ナスが出てきました!斬新。
食べてみると…おお、結構クセがある!想像通り「お酒感」が強い!(パンチが強いので好みが分かれるかも。)程よく甘みのある味噌で、しっかりとした具の食感があります。これは日本酒や焼酎が進みそうな味わいです。味は濃いので、白いご飯や野菜、豆腐などにトッピングするとちょうどいいかも☆
もちろん調理にも使うことは可能です。魚を漬け込んで焼いたり、鶏肉で挟んで焼いたりしても◎。またマヨネーズと和えるとタルタルソース風になって食べやすくなります。でもやっぱり高山寺みそはそのまま味わうのがベストな食べ方だと思います。
古くから作られている伝統の味噌。これまで一度も口にしなかった私は結構衝撃的でした!比較的少量でも売っているので、試してみる価値はあるかもしれません♪