煮物や鍋やスープやカレー、お肉やお魚を使う時は「アク取り」をするのが一般的だと思います。私もさほど厳密にはやっていませんが、一応気持ちに余裕がある時はお玉でちょいちょいすくってアクを取っていました。でも「このアク取りって本当に必要なのか」とふと疑問に思ったので調べてみることにしました。
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肉や魚のアク(灰汁)の正体は、いったい何なのか
アク(灰汁)とは、食べ物を口にした時に感じる苦みや渋み、えぐみ、好ましくない色やにおいの原因となっている成分の総称をいいます。肉や魚のアクは、煮汁に溶け出したタンパク質が凝固したもの。食材を加熱すると白っぽいものが浮いてきますよね、それがアクです。
この白っぽいアクは食べても害はありませんが、鍋に張り付いたり、具材にくっついて見た目を悪くします。このまま煮込み続けると、茶色っぽくなって煮汁が濁る原因に。そのため料理を美味しそうに仕上げるにはアクを取ったほうが良い、というのが一般的に言われていることです。
(※野菜のアクの場合は、成分や取り方がまた違ってくるので、それはまたいつかまとめることにします(^^;→【追記】とりあえず、さつまいものアクについてまとめました。)
アクを取った方が良い料理、取らなくても良い料理がある
アクは見た目を悪くするだけでなく、料理を美味しさを下げてしまうこともあります。「アク=雑味」なので、しっかり除いた方がすっきりとまろやかな味にまとまります。
分かりやすいのはお鍋料理。お鍋の場合は、スープを味わうことも多いですよね。お出汁を味わいたいのに、雑味が邪魔をして塩気や甘みが強調されたり、それを吸った具材や〆のおじややうどんも、何となくごちゃごちゃした味になってしまいます。
それから煮物。和食の定番の煮物も出汁が決め手になっていますよね。せっかく美味しい出汁で食材を煮たのに、その出汁の美味しさを濁してしまうアクはやっぱりジャマなのです。
ではアクは絶対にどんな料理も全部取りまくった方が良いのかといったら、それは違います。「アク=雑味=旨味」という考え方もあるためです。
例えばラーメンのスープ。お肉の骨などを長時間煮込んで作ったりしますよね。骨も肉もたくさん使いますから、アクもものすごい量が出ます。でもそれを全て綺麗に取ってしまうと、そもそも水分量が減ってしまいますし、美味しい脂も減ってしまいます。こってり系のラーメンなら脂は大事ですし、それを活かしたいと考える料理人ならアクを取り過ぎることはしないんだそう。
それから「アク戻り」という言葉もあります。アクが出たものをさらに煮込み続けると、食材の中にまたアクが戻って、煮汁が透き通ることがあるよう。これが絶対に美味しくないかと言えばそうでもなく、例えば食材を丁寧に下処理していたり、調味料や薬味や香辛料を上手に使っていると、アク取りしなくてもとっても美味しい料理に仕上がるのです。
ちなみに私の場合…、特にこれらを考えていたわけでは無かったのですが、カレーのアク取りはほとんどしません(^^; スパイスがたくさん入っているし、色も濃い茶色だし、アク取りしなくても分からないだろうと(超適当)。
これ、意外と間違っていないようで、もちろんしっかりとアク取りしたカレーはやっぱり美味しいようですが、アク取りしなかったカレーと食卓で比較するわけではないですし、アク取りしないカレーだって美味しくできてしまうのです。そしてそれがその家庭のカレーの味になるんです。カレーなど味が濃く香辛料が多く入っているものなら、そこまで気にしなくてもOKっていうのが結論です。
…なるほどなぁ。よし、これからもこのゆるいスタイルでアク取りをしていこうと決心した今日この頃でした。笑