「台所用洗剤で野菜や果物が洗える」ことをご存知でしょうか?私は以前テレビでそれを知り、野菜を洗剤で洗うなんて考えたことが無かったのでビックリしました。改めて家にある台所用洗剤を見てみたら、…あれ? 野菜を洗っても良い洗剤と、洗ってはいけない洗剤があることに気づいたのです。
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野菜を洗える洗剤と、洗えない洗剤の違い
我が家にあった洗剤「キュキュット」と「JOY」の表示をよく確認してみます。(私の場合、洗剤選びはいつも適当でして…特に決まったものを使っているわけではありません(^▽^;))
まず「キュキュット」の場合、用途の一番最初に「野菜・果物」と書かれています。
一方で、「JOY」の場合は、用途にそれらの記載は無く「食器・調理器具」のみが書かれています。
その違いは何なのか気になりますよね。この表示の基準は食品衛生法に準じており、野菜や果物を洗える洗剤に対して、成分規格と使用基準が定められています。具体的には「ヒ素や重金属、メタノール、酵素や漂白剤を含まないこと」、そして「中性であること」、などです。
これらの条件をすべて満たさなければ「野菜・果物を洗える」と明記できないのですが、これはあくまで法律上のことなので、明記されていないからといって安全性上に大きな問題がある訳ではありません。(確かに、食器に洗剤が残ったまま使用してしまって、身体に悪影響が出たら大変です!)
中性だから安全?→今は安全な弱酸性や弱アルカリ性も多い!
ちなみに、「中性であること」は「野菜・果物を洗える」条件の一つとなっていますが、…ん?よく見ると、「キュキュット」は「弱酸性」なのに「野菜・果物を洗える」となっています。本来ならば食品衛生法に引っかかるはずなのですが、なぜ大丈夫なのか?
「キュキュット」の表示をよく見ると「クエン酸配合」と書かれていました。クエン酸とは、柑橘類の果物や梅干しなどの食品に多く含まれる酸性の成分です。食品添加物やサプリメントなどにも使われており、掃除用のクエン酸も安く販売されています。水垢がよく取れたり、除菌効果が高いことから広く活用されているものです。確かにこれなら少々口に入っても問題は無さそうですよね。だから「弱酸性」でも「野菜・果物を洗える」と表記できたのだと思います。このように、おそらくいくつか例外もあるのでしょう。
昔から「中性であること」は安全な台所洗剤の基準の一つだったのですが、現在はそのルールは崩れ始めているよう。「弱アルカリ性」は洗浄効果が高い反面、肌への刺激が強いことがデメリットでしたが、今は手荒れをしにくい弱アルカリ性の洗剤もたくさん出ていますし、「弱酸性」は肌と同じ弱酸性で手により優しく消臭効果も高いと言われています。そのため中性だから安全、アルカリ性や酸性は危険、という訳ではなくなっているんですね。
かつては野菜を洗剤で洗いたいという需要があった
台所用洗剤は昭和30年代から普及していったよう。この頃は、農薬の基準が甘く、野菜や果物に有害物質が付いていることが多々ある時代でした。その為、洗剤を作るメーカーは、食器だけでなく、野菜や果物を洗えることをアピールポイントの一つとしていた過去があります。今はスーパーなどで売られている野菜や果物は安心して口にできるものばかりで、洗剤でこれらを洗う人は少数派となりました。でも洗剤の安全性をアピールする要素の一つとして、表記しているようです。
野菜や果物を洗える「キュキュット」の表示をよく読んでみると…次の様なことが書かれていました。
「野菜・果物を洗う時は5分以上つけたままにしない」「流水の場合は30秒以上すすぐ」「ため水の場合は水をかえて2回以上すすぐ」
お皿の場合のすすぎは5秒でOKで、野菜の場合は30秒以上すすがなくてはいけないんですね。うん、これだけすすげば、流水だけでもきっと十分綺麗になるかと(^^; でも念には念を入れて、野菜を洗う時は出来るだけ洗剤を身体の中に入れないように書かれているのでしょうね。
台所洗剤も調べてみると結構奥深くで面白い!今本当にいろんな種類の洗剤が売られているので、自分にとってベストな洗剤を探してみるのも楽しそうだなぁ。(いつの日か。)